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指揮者

作間先生からのメッセージ 〜思えば突然の出来事だったのですが…〜

十勝やまなみ合唱団 指揮者
作間 令子

ある日、全く合唱など指導した事の無い私に、指揮を…と依頼がありました。何と大胆な! そこですぐに引き受けたわけではなかったのですが、結局、当時の団長村越さんの熱意に押され、やってみることに…要するに私もいい加減なヤツだったのですね。
最初は、シロウトなのだから期待など誰も…というのが本音でした。
…が、いざ始めてみると、団員は皆本当に歌が好きな方ばかり。
逆にシロウトだから出来る事もある…表現したい事の共通項は、いくらでも持てるはずだ…等と、少しずつ欲が出て、「これは、オモシロイカモシレナイ」となったわけです。
そしてもう一つ。
仕事などで疲れた顔をしてやってくる団員達、帰りにはとても生き生きとした表情になり、良い顔をして帰っていくということ。これを見るといつも私も生き返るようなパワーをもらえる気がします。
我が愛すべき団員達、田舎くささ、素朴さ、ダサさ、をうんと漲らせてステージに立ち、(これは完璧)ちょっと洗練された音を軽々と出す…これをやってみたいのだけどなかなかそうはいきません。
そういうわけで、満足できる演奏はなかなかできず己の非力をいつも思い知らされるのです。「もう少し勉強させて…」という感じで、今だにやめられないでいるというわけです。
“作間先生を男に”というスローガンで、いざ本番の度に男にされたお陰で、二度目の婚期を大幅に遅らせ、今やすっかり…
なるべくなら人の前に立たず、こっそりひっそり生きたい人間が、長い間やまなみ合唱団の指導者として皆様の前に立っていられるのは、ご紹介いただいた朴谷さん、声をかけていただいた村越さん、そして一緒に何度もステージを作り上げてきた団員の皆様のおかげと心から感謝しています。

作間 令子(さくま れいこ)プロフィール

東京藝術大学樂理科卒。帯広を中心に合唱指揮者、ピアニストとして活動する傍ら、独自の音楽教育を展開し、多くの後進を育てている。十勝やまなみ合唱団では、常任指揮者として定期演奏会のほか多くのステージでタクトをとっている。2000年のモーツァルトのレクイエムの共演をきっかけに、古楽器によるヘンデルのメサイア全曲演奏、モーツァルトのレクイエム再演、バッハのロ短調ミサ、メサイア抜粋再演などテレマン管弦楽団との共演で指揮を務めた。ハイドンとモーツァルトコンチェルトでピアニストとしての共演も果たしている。そのほかピアニストとして、多くのステージを踏んでいる。2018年6月のバッハ(ゴルトベルク)とシューベルト=リストでのリサイタルは記憶に新しい。十勝文化奨励賞(2000年)、帯広市民劇場賞受賞(2010年)。

作間先生を語る~(前団長)村越さん~第4代目 指揮者 作間令子先生 「・・・ここまでの物語・・・」

もっとも長くお世話になっている先生で、今はもう、やまなみの作間か、作間のやまなみか・・・とまで定着した存在である。
かつて、朴谷先生に「6月の合唱祭までだよ」と言われ、その6月が過ぎようとした頃、「私よりも優秀な音楽家がいるから」と朴谷先生に紹介され、作間先生を訪ねたことがあった。その時はまだ、お嬢さんがお二人とも幼く、断られても仕方ないとあきらめたものだった。
3年後、朴谷先生の転勤にあたり、いよいよ必死の思いで再度お願いに伺ったところ、あっさりと引き受けていだだき正直なところ、頭を擦り付けてもと覚悟を決めて出かけた身としては、ちょっと拍子抜けしたような感じだった。
だが、そのさばさばしたところが、先生の魅力でもあったのだった。無理矢理お願いしておきながら、ろくな謝礼も出さない合唱団なのに嫌な顔など全く見せず、逆にコンパなどには身銭を切って差し入れを続けてくれる頭の下がる先生である。
芸大出の女性音楽家!つうんとして神経の鋭い近寄りがたいイメージ・・・が、まるで違うのである。
だが、やはり音楽の練習となるとプロの指揮者に変身する。リズムの曖昧さ、音程の不正確さ、歌詞の不明瞭さ、どんな些細なことでも、先生の耳をだますことは出来ない。先生はあくまでも完璧を目指している。
先生の考えの中で「お金を頂いて来て頂く限りは単なる習いもののおさらい会であってはならない。最高の舞台を作り上げなければならない」と言う思いが強いのだ。だから練習もいい加減で妥協する事はないのである。
苦しいけれどその苦しさの深さを深く味わってこそ本番での深い感動をつかむことが出来るのだ。
先生は普段そんな事は言わないけど、先生のひた向きさはひしひしと伝わってくるのだ。

作間先生を語る~(団長)竃さん~

私が40代になって間もなくのころだったと思います。合唱団での指導者が見つからない苦境の時期にお子さんを連れて練習場へ現れ、指揮をされていたのを思い出します。
私にとっては女性指揮者は初めての経験で新鮮な感じを受けたのをを覚えております。指揮者の経験もなくこの合唱団の指導を引き受けていただき、子育てをしながらは大変なことだと思いながら音楽づくりにはずっと頼りってまいりました。その間の合唱に関する探究心には頭が下がる思いです。その想いが「モツレク」、「メサイア」、「ロ短調ミサ」等の大曲の実現に繋がったと思います。
もう70代半ばを過ぎた私にとっては合唱人生をここまで続けられたのも作間さんのお蔭と感謝あるのみです。

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